神奈川県・小田原市・箱根地方には古来小木工芸の製造を業とする人々が多く、優れた伝統木工芸技術は明治中期以降には輸出品として海を渡り、かっては県の重要な産品の一つに数えられていました。その商品の性格は観光土産的な性格が強い上に、企業の大部分が家内制手工業であり、苦心の創案の機密を保つことが難しく、過去には模倣商品が業界発展の障害となっていました。
そこで、昭和26年に「神奈川県考案保護審議会」が誕生しました。現在まで一地方の事業ではあるが、極めて民主的にしかも自主的に運営されています。この協会の主目的は、企業から申請された商品の新規性の判定と登録にありますが、業界全般においては他の人の創意工夫を尊重することにより、良い「質」の商品の啓蒙が大切な目的です。
昭和56年4月1日には、神奈川県考案保護審議会の名称が「神奈川県工芸産業振興協会」に変更し現在に至っています。なおこれまで登録された商品については神奈川県産業技術センター・工芸技術所の3階に展示されており、関係者はいつでも閲覧し創意工夫の糧として活用できるようになっております。
工芸品の登録は? |
申請は年間を通じて受け付けます。箱根物産連合会の各組員を始め、誰でも可能です。現在1年間に(3回)の審査会を開き、そこで申請品の登録の合否を判定し、その後公報により関係企業等に配布しています。また審査員の資質向上を目的として研修会の実施をしています。 |
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